本講義は新しい「京都みやげ」の創造とマーケティング戦略の構築を題材として、学生の「考える力」を養成し、実社会で活躍できる人材を育成することを目的とする。 従来の観光みやげ市場は、地元名産品が観光みやげとして利用されるという中で発展を遂げてきた。これは、菓子業界においても同様で、「おたべ」や「赤福」に代表されるような長い年月を経て地域限定ブランドが確立されてきた。近年、このみやげ市場も、マーケティング手法が導入されることにより大きな変貌を遂げてきた。 ひとつは、「新しいブランドの創造」。もうひとつは、従来ギフトブランドとして捉えられてきた「百貨店ブランドの観光みやげ化」である。さらに、空港や駅中における流通業界の改革がそれに拍車をかけることとなった。 このような環境下において、各菓子メーカーも自社ブランドの再構築と独自のマーケティング戦略を要求されている。しかし、流通菓子市場と異なり「みやげ菓子市場」は、地域との密着性が高く全国ブランドとして育つ菓子はほとんど見られない。 一方、「京都」という地域の特殊性は、京都発信商品が商品の内容を問わず京都ブランドという特徴によって、全国レベルでのブランド競合力を有することであろう。 そこで、本講義においては、京都ブランドを活用した、新しい京都みやげを創造し、さらに市場導入までのビジネスモデルの構築をプロジェクトとして取り上げたい。現状の市場環境の把握、他社のマーケティング事例を学び、新しいブランドの創造とブランド戦略を構築するリアルなマーケティング活動の中で、学生各人の創造性と考える能力を最大限に引きだそうとするものである。 |